転勤族の妻が、「もう転勤生活をやめたい!」と思うのはどのような時か。

転勤族の妻

夫と結婚してから15年間、最初は夫と二人で… 子どもが生まれてからは子どもたちも一緒に全国あちこちと夫の転勤先で暮らしていました。転勤生活も山あり、谷ありです。「転勤族でよかった!」と思う時もあれば、「なんで転勤族なの…」と嘆きたくなる時も。

今回はどのような時に私が「転勤族をやめたい」と感じたのかを振り返ってみたいと思います。

今は子どもたちの転校を避けるために夫に単身赴任してもらい、一か所に定住しています。定住してみると、逆に転勤族の良さに気がつくことも。

以前にこちらの記事↓にも書いた内容と一部重複する部分もありますが、具体的なエピソードを書いてみたいと思います。

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引っ越し後、荷物が整った後に孤独感に襲われたとき

夫と結婚後、最初の土地で3年ほど過ごしました。新婚生活を過ごした思い出の土地です。趣味のサークルや仕事を通して、たくさんのかたと知り合うことができました。そして、いろいろな思い出を胸に、次の土地に旅立ちました。

引っ越しをする時はもちろん寂しい気持ちもありますが、住んだことのない新しい土地への期待や希望も膨らみます。この時は旅行気分に似たわくわく感があるのだと思います。しかし、バタバタとした引っ越し作業も終わると、夫はこれまでのように、出勤していきます。

「非日常」から「日常」に戻ります。

朝食の片づけや、洗濯、掃除などひと通りの家事を終えたとき、なんだかぽっかりと穴が開いたような感覚になります。住んでいる近くを散策したり、買い物に行ったりする中で新しい土地での色々な発見もありますが誰とも話をせずに夫の帰宅時間まで過ごす日が続きます。

「無職」と「転居」という二つの環境の変化に自分がついていけなかったのだと思います。当時の私には「話し相手」がいなかったことで、以前の居住地で構築されてきていた人間関係が良くも悪くもリセットされたような感覚になりました。転勤に伴い退職することになったとき、なんだか肩の荷がおりたような解放感に浸ったはずなのに、新しい土地で職場の同僚との楽しい想い出が蘇ってきます。

こんな時に思うのです。「転勤族の妻って辛いなぁ」と・・・

引っ越し作業が年々大変に感じるようになった時

夫と二人暮らしの時には私たちの持ち物は実にシンプルでした。持ち物の量が少ないため、引っ越しの準備も引っ越し先での荷解き作業もそんなに負担ではなかったです。

ところが、子どもが生まれると育児用品がどんどん増えていきます。

衣類や寝具が人数分増えるだけでなく、おもちゃやベビーカー、絵本類。それでも、「子どもがいるのに、荷物が少ないね」と遊びにきたママ友には言われていたように、荷物をできるだけ増やさないような努力をしていました。

ですが、転勤族だから…と諦めたくない部分もあり、ひな人形や五月人形は購入しました。また、娘もピアノをやりたい!といいはじめた時期には電子ピアノも購入。荷物は確実に増えていきます。

上の子が2歳、下の子が0歳の時の引っ越し作業は大変でした。いたずら盛りの上の子に目を光らせながら下の子をおんぶしての作業です。引っ越し作業時に両親が手伝いに来てくれるご家庭もあると思いますが、我が家の場合、両親とも仕事をしていたことや遠方ということもあり、サポートは期待できませんでした。

また、上の子が小学生になった頃にはランドセルなどの学用品も増え、部屋にうず高く積まれた段ボールに辟易しました。

子どもの成長とともに荷物が増え、引っ越しが「面倒な作業」に思えてきました。また、私自身も子どもの成長とともに仕事を始めていたため、退職から引っ越し日までがタイトなスケジュールになり大変でした。

「あー、引っ越し大変。もう、終わりにしたい~」と思うようになりました。

幼稚園(こども園)や小学校の行事でひとりぼっちのとき

こども達も転勤先でひとりぼっちの経験をしていましたが、小学校4年生までの転居だったということもあり、周囲のお友達も気軽に話しかけてくれ、二人とも少しずつ新しい環境に慣れることができました。

幼稚園や小学校で「ひとりぼっち」をさみしく思ったのは、私自身のことです(笑)

上の子がベビーだった時には、ベビースイミングや市の母親学級で知り合ったたくさんのママ友がいました。転勤しなければ、同じ幼稚園に子どもを通わせていたかもしれません。

しかし、幼稚園にあがるタイミングで転勤。転勤先では、ベビー時代から仲良しというママ友同士がすでに幼稚園でグループになっていることも。その時点で私には知り合いがひとりもいません。そんな時、以前の土地にいたママ友を懐かしく思うと同時に寂しい気持ちにちょっぴりなったりしたものです。 ま、幼稚園行事を通して、結局は新しいママ友がドンドンできたのでそんな風に思ったのは最初のうちでしたけどね。

同様に、小学校に入学してからの転居では、学校行事にいくと、どうやら幼稚園時代から知り合いのママさん同士が仲良くしています。幼稚園時代はこども同士をよく遊ばせたり、一緒にランチをしたり深い付き合いをしたママ友がたくさんいました。ですが、新しい土地にはそのママ友はだれもいません。

幼稚園時代にできたママ友がいれば、こんな時に寂しい気持ちをしなかったのでは…と思うこともありました。

「転勤族じゃなかったら…」こんな時にも思ってしまうのです。

ですが、今振り返るとどれも転居してから最初の数回のことで、次第に少しずつ顔見知りのママさんもでき、気にならなくなったものです。転居してすぐというのは不安感や緊張などからこうした後ろ向きの気持ちになりやすいのかもしれません。

里心がついたとき

「里心がつく」・・・実家や故郷を恋しく思う気持が起こる。ホームシックにかかる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について

私は進学などで地元を一時的に離れることはありましたが、地元に就職しました。転勤族の夫と出会い結婚したわけです。その時はあまり先のことを考えず盛り上がって結婚しました(笑)

しかし、結婚して2~3年経ったころからでしょうか。実家に帰省すると、このまま地元で生活したい!と思ってしまう時がありました。幼い頃から慣れ親しんだ土地、家族や友人のいる土地に帰ってくるとこんなにも安心できるものなのか。。。

特に子どもが生まれてからはおじいちゃんおばあちゃんが近くにいることが、私自身の育児の助けになるばかりでなく、子どもたちにもよい時間にもなることをヒシヒシと感じるようになりました。

「自分の両親の近くで子育てができたらよかった」と思うとともに、そのような子育てをしている人をみると羨ましく思ったものです。

でも、母からは言われました。「あなたが自分で選んだ人生よね」

はい、その通りです。自分で選んだのだから自分の道を歩んでいくしかありません。今もたまに帰省すると、このまま地元に住み着きたい気持ちにさいなまれます。ですが、それも数日間のことで、日常生活にもどると日々をこなしていかなきゃという気持ちになりますけどね。

他人の芝生は青くみえる

以上、とりとめなく「転勤生活をやめたいと思った時」について書いてみました。

こうしてみると、私自身が「楽しそうに見える誰か」や「転勤族の妻をしていなかったかもしれない自分」と勝手に比べて後ろ向きな気持ちになっていたことに気がつきます。

今、私はずっと願っていた「転勤生活をやめて、定住する」という生活をしています。すると、どうでしょう。「やっぱり、夫と転勤生活していたい!」と思う気持ちがムクムクわいてきたのです。

当時はあまり意識していなかった「転勤生活の良さ」を感じ始めたからです。

例えば、今回のエピソードにでてきた「楽しそうに見える転勤していないママさんたち」や「親の近くに住んでいる」など私とは違う立場に置かれている人もそれぞれ悩みがあるかもしれません。

結局は「他人の芝生は青く見える」だけなのかもしれません。誰と比べるのではなく、「もし、~したら」「こうだったなら」ではなく、目の前の小さな幸せを大切に、感謝をしながら1日1日を過ごしたいなと思います。

次の記事では「定住して感じた転勤族という生き方の楽しさ」について書いてみたいと思います!