会社の突然の業務閉鎖を経験。普段からリスクヘッジしておくことの大切さを痛感。

お金のこと

ここ2年ほど私は契約社員としてある会社に勤務していました。しかし、ある日突然「業務閉鎖」をすることが社員全員に伝えられました。とても悲しいことではありましたが、ある意味こうした経験は誰しもがするものではなく、貴重な経験だと思います。今回の経験をふまえ、普段からのリスクヘッジの大切さを感じたのでまとめておきたいと思います。

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社長から突然「業務閉鎖」についての説明がある

それは普段と変わりなく業務をしていた日でした。社長から今後についての説明会があるとのことで、全社員にメールで連絡がきました。

社員一同、緊張した様子で集まりました。社長からは「残念ながら業務閉鎖をするという選択をした」と説明がありました。

加えて、「退職日までは3か月ほど猶予があること」「勤務中にも休みをとり、求職活動をしてよいこと」「退職金を支払うこと」なども伝えられました。

場内は静まり返り、涙を流している社員もいました。 

社員の受け止め方は様々

説明会の後、同じ部署の社員同士で話をしました。反応はもちろん様々です。

社員の働きやすさや、ワークライフバランスを大切にしていた会社ですので、会社を愛していた社員がとても多かったです。「寂しい」「残念」という声がたくさんきかれました。また、退職金はない会社も多い中、社員への配慮をしてくれていることに感謝の気持ちもきかれます。

一方で「怒り」を表出していたかたもいらっしゃいます。「裏切られた」「人生を狂わされた責任をとってほしい」「嘘つき」など。

また、それぞれの置かれた立場によっても、この事態の深刻度合いは変わってきます。

危機的状況のために普段から備えておいたほうが良いこと

私自身、この会社の社風が好きで会社の成長をずっと見ていきたいと思っていたので残念で悲しい気持ちになりました。また、同僚との職場でのつながりが断たれることも寂しかったです。

ですが、社長の話をきいたとき「やっぱり」ともどこかで思いました。仕事はとても楽しくやらせていただきましたが、経営としては大丈夫なのだろうか?と心配に感じる点がこれまでもあったからです。

だからでしょうか、社長の話を聞いたとき自分でも驚くほど冷静に受け止めることができました。また、いくつか備えていたこともあったため心の余裕もあったかもしれません。

いざという時失業保険が受給できるかは、勤務形態による

会社では「正社員」「契約社員」「業務委託」で働いていた人がいました。

業務委託の場合は好きな時間に好きな場所で働くことができます。社員よりも「自由度」が高いためあえて業務委託での勤務を選んでいる方達もいらっしゃいました。

この事態で業務委託のかたと、社員との大きな違いは「失業保険」の受給ができるかどうかということでしょうか。

私は契約社員で働いていた時、実は「業務委託」で働いている人はちょっとうらやましいな・・と思っていたことがありました。ですが、 失業保険を受給することができ生活が安定的に送ることができているのは、 契約社員として働き雇用保険料をおさめていたからこそです。

また、会社の業務閉鎖の場合は、「自己都合による退職」ではなく、「会社都合」の退職になります。自己都合退職の場合は、失業手当を受給できるまで2~3か月の待期期間がありますが、会社都合の場合は1か月程度で受給できます。

待期期間も短く、勤務していた時とあまり変わらない額が銀行に振り込まれるのはとてもありがたいことでした。

生活費における「住居費」の負担度合いを適正なものにしておく

新築のマイホームを購入したばかりの同僚はかなり肩を落としていました。「家買っちゃったよ。。一生働かなきゃいけない」と言っていました。 この会社であれば働きやすく元気に夫婦共働きができると思い購入したのかもしれません。

実家をでて一人暮らしをスタートしたばかりの同僚は…「親に心配される。親に言えない」と言っています。毎月のアパート代を支払うのは大きな負担ですよね。

生活費の中で一番大きく占めるのが「住居費」ではないでしょうか。住居費が少なければ少ないほど生活には余裕がもてます。今回、独身の社員でも実家暮らしをしていた社員は余裕があるようにも見えました。

我が家の場合ですが、住まいは築30年程の中古住宅です。低金利のためあえて繰り上げ返済などはせず、夫が60歳になった時点で払い終わるように住宅ローンを組んであります。まとまった貯金を取り崩すより投資で運用していったほうが大きいと判断しました。

ボーナス時の支払いはなしで月に58000円の返済。そのうち利息は5000円程度です。 この5000円が勿体ないような気もしますが、もし夫に何かあった場合は、その後の支払いはしなくてすむようにローン返済に保険が組まれていますので5000円は「安心料」でしょうか。

新築のピカピカのマイホームにも憧れていた時期もあります。ですが、今は無理して買わなくて良かったと思います。

住宅ローンを組む時には夫婦共働きのパワーカップルであっても、「もしも」の時に払える余裕をもたせた返済計画ができるといいのでないでしょうか。

若い時からコツコツと。まずは6か月~1年分の生活費の貯蓄をめざす

新婚時代に雑誌「婦人之友」の愛読者会「友の会」で学んだ時に、「まずは1年間、働かなくても生活ができる金額の貯蓄を目指しましょう」と言われました。

友の会の先輩達から、こうした「もしもの時」に備えることの大切を教わりました。貯蓄があることは今回のような事態でもわりと冷静に受け止めることにつながるのを実感しています。

独身の方は実家に住むことができるのであれば貯蓄スピードをグンとあげることができます。一人暮らしをスタートするのは就職してすぐというよりは、「貯金がしっかりできてから」と目標をきめるのもいいですね。

生活に余裕がないと、次の就職先も熟慮せずに決めてしまうこともなりかねないのではないでしょうか。

転職の可能性を頭の片隅に置きながら自己研鑽する

「チコルさんは資格をもっているから安心だね」と同僚から言われました。確かに、看護師や保健師の求人は常にあります。仕事の内容を選ばなければ、40代でもすぐに就職できると思います。ですが、今は20代や30代の頃のように病棟や地域の現場にでて働きたいとは思っていません。

あちこちの転勤先でちょっと無理もしながら、仕事をし経験を積んできました。 自分がアラフォーからアラフィフへと差し掛かってくる中 、ここからはワークライフバランスを大切に過ごしたいです。 自分がほんとうにやりたいと思っている仕事であったり、体力や能力に見合った仕事に落ち着いて向き合いたいと思っています。

若い時に、履歴書や職務経歴書の書き方についての研修を受けたことがあります。就職の面接時に人事の担当者が知りたいことは、「今までどのような経験をしてきたか。」「どんな風に会社に貢献してくれるか」ということです。

資格があってもなくても大切なのは自分にどのような強みがあるかをきちんと自覚し伝えることができることではないでしょうか。

一般の看護師や保健師の場合、対人サービスがメインです。でも、私は静かにパソコンに向き合う仕事も好きだったため、この会社を選びました。かなりの採用倍率だったときいています。社員の平均年齢が33歳ですので、私はかなりのおばさんの部類です。

採用時に役にたったのは、かつてエクセルやワードなどのパソコン関係の資格を習得したことや、ワードプレスでのブログ運営をしていること、フリーランスでIT機器を使用した保健指導の経験があったことだと思います。

採用後しばらくたつと、プレゼンテーションや新入社員の教育の機会などを与えられました。

そうした仕事は、別の方に声をかけたものの「大変だから」という理由で断られたと上司から聞きました。確かにみんなが受けたくない仕事は断るのも自由です。ですが、自分にはちょっと難しい仕事をした先には確かな経験と自信が蓄積していきます。

この会社で自分がチャレンジしてきたことや経験は次に生かすことができるという自信にもつながっています。

会社に採用されれば、滅多なことがなければクビにはなりません。だから、とにかく日々をこなせばお給料はいただけます。 

ですが、もしもの時に備えて学習したり、新しい仕事にチャレンジしパワーアップをしていくことは将来の自分の備えになっていくと思います。また、今盛んにすすめられている「副業」をしておくことも大きなリスクヘッジですね。