子どもがいない転勤族の妻が孤独から脱出するには??【アラフィフで夫婦二人で歩んでいる場合】

転勤族の妻

転勤族の夫と結婚して15年がたちました。転勤族の妻の孤独をテーマにから書いてきた3回目です。

今回は、妊娠可能な時期を過ぎ、夫婦二人で歩んでいる場合について書きたいと思います。ただし、これは私自身が経験したことではありません。なので、本来は書くこともおこがましいように思います。

ですが、今回あえて記事にさせてもらいました。というのは、今回の記事にある先輩転勤妻のお話が、当時、孤独にうちひしがれていた私を大変、勇気付け励ましてくれたものだったからです。同じように悩む転勤族の妻の方に、参考になることがあれば幸いです。

1回目、2回目のテーマはこちら・・・

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新婚時代に出逢った先輩転妻Aさんのお話・・・

私が結婚して半年ほどの頃です。夫の職場の方とその家族と一緒に花火大会を見る機会がありました。

その時に、いらした夫の先輩の奥様Aさんと話した時のことです。初対面でしたがとてもサバサバした話しやすい奥様でした。

「何回くらい転勤しましたか~」なんて話をきいた後、結婚したばかりだった私は率直に「転勤族との結婚生活ってどうなんでしょう?」と聞いてしまいました(今思えば、なんだか恥ずかしい・・・笑)

すると奥様は急に真顔になり「夫婦の絆はとても強くなるよ」と言いました。「特にうちは子どもいないしね。」と。「転勤先で知り合った人とはそのまま関係が終わってしまう人もいる。けれど、離れても友人として続く人とは続くよ」とのこと。

そこに、奥様のご主人も話に加わりました。ご主人の話では奥様は毎日スポーツジムにいきエアロビクスをやっているとのこと。そのスポーツジムでは昔から入会している女性達と、後から入会した女性達の仲があまり良くなかったが、奥様が間にはいり良い雰囲気にすることができたんだと、奥様のことを誇らしげに語ってくださいました。

「このあと、あそこのラーメン屋さんにいこうね!」と夫婦で話しており、アラフィフのお二人でしたが、恋人同士の雰囲気でした。

ご主人は、転勤先でもポジティブに生きている奥様のことをとても愛しているのが、話の節々から伝わってきました。

同じく新婚時代に出逢った職場の同僚の先輩転妻Bさんのお話

同じく新婚時代に出逢った職場の先輩転妻さんのお話です。60代近い女性でした。私に仕事を教えてくれる立場でもありました。ご主人の転勤であちこち動いていましたが、ご主人の両親の介護もあり、定住するようになったと。その職場にはもう4年以上おり、職場での信頼も厚い方でした。

仕事の合間にいろいろおしゃべりをし、ご自分も長いこと転勤族だったが、子どもには結局恵まれなかったことをお話してくださいました。

転勤先では、ちょっとしたアルバイトをしたり、料理教室に通ったりしたこと、引越しがすぐできるようにこまごましたものは、かごにいれて整理するようにしていたことなど、先輩転妻さんならではのお話もしてくれました。

私がその職場を去ることになったときにお手紙をくれました。「いろいろ話をする中で、自分の若い頃を思い出すことができた」「とても楽しい時間を過ごすことができた」など、感謝の気持ちが沢山したためられていました。「そうした気持ちはチコルさんに伝えたほうがいいのではないかと、夫に言われ、手紙を書くことにしました」と・・。

私は、この先輩転妻Bさんの感謝の気持ちが沢山書かれたお手紙はとてもうれしかったのですが、一番印象に残っているのが、「夫がチコルさんに気持ちを伝えたらと言った」という部分です。また、普段もご主人のことをお話するときはなんだかうれしそうでした。

60歳にもなってくると、子どもが巣立ち夫婦の会話も少なくなってくると言われますが、このお子様のいらっしゃらないご夫婦にはあたたかい空気が流れていると感じました。

職場での出来事など、普段からいろいろ会話をされているご夫婦なんでしょうね。そして、当時の私のような若い後輩が職場を去ることを寂しく思い、その気持ちを夫に話す。そしてご主人もその寂しさをそっと受け止めて、手紙を書くように背中を押してくれる・・・

ステキなご夫婦だなと思いました。

お子さんのいない転勤族の夫婦は乗り越えるものが大きい分、絆が強い

このお二人のお話で、共通して感じたのは「夫婦の仲が良い」ということです。お二人とも「子どもには恵まれなかった」とお話をしており、不妊の辛さを経験しています。さらに、転勤族というのは、夫の転勤とともに知人のいない見知らぬ土地で生活します。夫が仕事でいない間は孤独を感じることも多かったと思います。

いろんな辛さがあったからこそ、夫婦でその都度、会話をして、一緒に共有し、思いやりながら日々を重ねてきたのだと思いました。夫の休日には、よく夫婦でその土地の観光をしたり、二人だけの時間も多かったようです。これは転勤族夫婦の良いところかもしれません。

もし、この夫婦が転勤せずに同じ土地に住み、友人や自分の両親、親戚、妻の職場の人など、たくさんの人に囲まれて生きていたなら、お互いの存在の大切さをここまで実感できたものなのでしょうか?

また、子どもがいたらどうだったでしょう?女性は出産後、妻としてよりも母として動くほうが本能的に強くなりますから、夫より子どもに気持ちがむくのは自然のことですね。

 自分の今の置かれた状況を静かに受け入れ、自分なりに楽しもうという強さや、清々しさをこのお二人の女性から感じられました。

子育てを経験したいと願うご夫婦は多数かもしれませんが、経験しないからこそ、このご夫婦のようにお互いのパートナーを敬い、絆が強い関係でいられるのではと思います。

お子さんのいない転勤族の妻は、不妊や転勤族ならではの孤独など、夫婦で乗り越えてきたものが大きい分、とても絆が強いのでと感じます。また、それを乗り越えてきた先にある夫婦の姿は、とても強く美しい・・・とその背中をみて思いました。