看護師として復帰するのが不安な方にお勧めな看護師の職場

保健師という仕事

 幼稚園や保育園、小学校で「実は看護師だったの」というママ友が結構います。「看護師」という資格は持っているものの、働いていない「潜在看護師」が多いなと感じます。

 子どもが小さくて・・という理由で働いていない方もいますが、「臨床の場に戻るのが不安」「怖い」という声もききます。今回は、夫の転勤の度に、職場を転々としてきた私の経験から、ブランクがあっても働きやすそうな職場をピックアップしてみましたので参考にしていただければ幸いです。

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臨床から離れている期間が長くなってしまう理由

現在、看護師の資格をもちながら働いていない方にはいくつかのパターンがあるようです。

退職前にバリバリと交代勤務をこなし燃え尽きた

 救急や外科の病棟でバリバリと働き、結婚を機にやめた場合、ブランクが少しでもあると、もうついていけないのではないかという不安があるようです。また、当時、バーンアウト気味で退職した場合には、「看護師」という職業そのものに魅力を感じることができない状態になっている方もいます。

自分は充分な臨床経験を積まないまま退職したと思い込み、自身がない

 友人の中には、新人で配属されたのが「NICU」「リハビリ」「精神科」など、一般的な内科や外科と違う職場であった場合、「自分は若い頃に積むべき経験をしないままに退職してしまった」と、自信がなく思っている方もいました。

また、意外にも「大学病院」での勤務経験があるにも関わらず、「大学病院だと、『注射』や『採血』が検査技師や医師の仕事であったため、自分はやってこなかった。一般の病院やクリニックではつかえない・・・」という友人もいました。

ブランクが長くなりすぎてとにかく不安

 医療の現場は、日進月歩。気がつけば10年働いていない・・・と、次第にブランクが長くなるとますます気持ち的に戻りにくくなります。

自分自身のリハビリで、少しづつステップアップするのもよい

でも、怖い先輩看護師さんに怒られながら手にした看護師資格です。いきなり、復帰するのが難しい場合は少しづつステップアップするのもよいかもしれません。

無料の研修の場を利用して最低限の救命処置の知識は復習しておく!

 どんな職場にしろ、「看護師」として雇用された場合、「いざという時にはよろしくね!」ということを期待されています。ですので、現役で看護師として働いていたときに救命処置をした経験がなかったとしても、知識としてはもっておく必要はあります。

看護協会では定期的に無料の復職支援の研修会を開いていますし、消防署主催の救命講習を受けるのも良いかと思います。また、看護師の人材派遣会社紹介会社等に登録すると、その会社で主催している無料の講習会を受けることができる場合もあります。

ブランクがある方、臨床経験が短い方でも働きやすそうな職場

こんな職場はいかがでしょう?!

食事なしお風呂なしの半日のデイサービス

 私自身が勤務したことがあります。

1日のデイサービスとなると、入浴後の医療処置がありますが、機能訓練のみを行なう半日型のデイサービスの場合は、医療処置や投薬は基本的にはありません。運動前に血圧測定等の健康チェックと、機能訓練をおこなうのが主な業務です。

運動前の健康チェックは、主治医より運動禁止の血圧上限値の指示もでています。デイサービスでは、看護師が1人であることが多いため、他の看護師と相談できず、責任が重い印象があります。

ですが、介護士等のスタッフが充実しているため、利用者の転倒等の事故への対応をあらかじめ職場で共通認識をもっていればクリアできる部分かと思います。

逆に、デイサービスは病院と違い治療の場ではないので、医療的処置が必要となった場合は「救急車!」ですね。最低限の救命措置や応急手当は、経験がないとしても知識として身につけておく必要はあるかと思います。

精神科病棟の看護師

 行政保健師を辞めた後、「看護師として働きたいけど、臨床経験がないため不安」だった時に、ハローワークに登録していたところ、人手不足の精神科病院から声がかかりました。

「精神科病棟の看護師がラク」というわけでは決してありません。精神科看護は奥が深い分野です。ですが、医療的な処置が少なめなので、看護技術に不安がある方にはよいかと思いました。また、病棟の場合、他にも看護師がいますので、不安な点は他の看護師に相談もできます。また、何より医師がいますから、自分がひとりだけで判断しなければいけない場面は少ないです。

注射や採血、点滴、導尿など、他科に比べれば少ないですが、私は精神科病棟でこうした基礎看護技術を経験することができました。

健診センター

 リハビリの病棟でしか勤務経験がないため、自信がないといっていたママ友が働いています。視覚や聴覚検査、身長・体重、採血、血圧測定などが主な仕事です。私も行政保健師時代に住民健診で問診などに携わっていました。健康な人が対象者ですし、とにかく数をこなさなきゃいけないので患者さんとの心のふれあい的なものはありません。正直、事務的に流れる感じです。

仕事は同じことの繰り返し的な部分もありますが、デイサービス等とは違い忙しい雰囲気はありますね。

巡回入浴

これは、私自身は経験がないのですが、看護師の人材派遣会社の相談員の方に勧められました。

巡回入浴を利用しているのは家庭で療養中の高齢者の方々です。相談員の方の話によると、1人の看護師と2人の介護士とで組んで各家庭をまわるそうです。

介護士さんは慣れているため、介護士さんの指示に主に従ってもらえればよいと。看護師は急変時の対応を期待されているが、入浴前の健康チェックは医師からの指示があるので、それに従って血圧測定をし入浴可否の判断をしてもらえれば良いとのことでした。

単発ではいった看護師が、いつもと利用者さんの様子が違う・・・など、そういった変化に気がつけるのかな?という不安がありました。ですが、普段見ているご家族や、介護士さんにいつもと変わった様子はないかなどをたずねたり、食事や睡眠の状況を確認するなども大切な看護師の仕事だと思います。

市町村での乳幼児健診でのヘルプ

市町村で行なわれている乳幼児健診でも、看護師が働いています。仕事の内容は乳幼児の計測や、発育発達の問診などです。働いている人数が少ないため、あまり求人はでていないことが多いですが、興味があるかたは、直接、働いてみたい市町村に募集の有無を問い合わせてみると良いかもしれません。

前期高齢者訪問指導

訪問看護ではありません。65歳以上の高齢者に対して個別に訪問し、服薬管理や、介護予防、生活改善などの健康相談を行なう仕事です。医療処置はありません。

健康保険組合から委託を受けた会社が行なうもので、看護師は雇用ではなく、業務委託という形で働きます。例えば1件訪問あたり4500円というようなものです。

大手ではSOMPOヘルスケア、ベネフィットワンなどがあります。

保健師として働いたことはないけど、資格はある!というかたは、「特定保健指導」に従事できます。同じ会社で行なっています。

前期高齢者訪問指導も、特定保健指導も対象者の方が、保健指導を望んでいる場合はとてもやりやすいのですが、そうではないのも事実。「余計なお世話」的に思っている方も中にはいたりします。ただ、業務委託の保健指導系の仕事は、自分で好きなときに仕事をいれられたり、直行直帰できる自由さがあります。また、研修体制がしっかり整っているのでブランクのある方には働きやすいと思います。

看護師の人材派遣会社、紹介会社に登録してみる

 ここまで読んでみて「え!それよりはもう少し働く自信があるわ!」と思ったあなた。。。 期待はずれな記事でごめんなさい。

そういったかたは、看護師の人材派遣会社・紹介会社に登録されることをお勧めします。紹介会社のメリットは「紹介予定派遣」というのがあり、気になった職場でお試しで派遣看護師として働いてみることができること。気に入ったら、そのまま就職もできます。

それと、面接の場では採用の方に直接聞きにくいことや、給与面のこまかいことも紹介会社の方に代わりにきいてもらったり、月に何日までなら働けるなど条件交渉をしてもらうことができるのがメリットです。

私は夫の東京転勤の時にメディカルコンシェルジュで登録しました。しつこく電話してくる会社もあるのですが、この会社は派遣会社の中でもあっさり(笑)している印象があるので、転勤があると時々仕事を紹介してもらいました。

こちらです↓

ハローワークや、看護協会でも求人は探すことはできるのですが、細かいことは直接きいてみないとわからなかったりします。求人票をみてにらめっこしても何もでてきませんが、行動してみると待遇面で気になっていたことがクリアになることもあります。

まとめ

「看護技術に不安」「臨床経験がない」「臨床経験が短い」というかた向けにピックアップしてみました。

医療施設も介護施設も看護師不足です。最近は、復職支援が充実している職場も増えてきました。働きたいという気持ちがあるのなら、遠回りせず、思い切ってそうしたところに正職員ではいっていくのもいいでしょう。

ですが、最初の1歩を踏みだす勇気がない方には今回の記事が少しでもお役にたてればと思います。