転勤族が家を購入して感じたデメリット。買うなら中古住宅がおすすめ。

転勤族の妻

転勤族の夫と結婚してからあちこち転勤生活をしてきました。転勤生活を続けるうちに子どもも産まれ、現在は中古住宅を購入し私と子供たちは定住。夫は単身赴任中です。

生涯のトータルの出費としてどちらがお得かという話で、よく「持ち家か賃貸か論争」というのをききます。ですが、転勤族の住まいは、会社から多少なりとも補助がでたり、社宅が準備されていることが多いため、ずっとその形態で生活をし続ければ明らかに「賃貸(社宅や会社からの補助あり)」のほうが経済的にはお得です。 ですが、それでも転勤族が「家」を購入するのは多くの場合「子どもの転校」を避けるためです。

私は転勤生活をしているときには「家」というものに強い憧れをもっていました。もしかして、このブログを読んでくださっているかたの中には「子ども」がいなくても、孤独感などからどこかに定住してコミュニティを形成したいと思っていらっしゃるかたもいるかもしれません。

私も転勤生活に疲れて、早くどこかに定住したいと家の購入を望んでいました。また、インテリアが好きなため、自分の家で好みのインテリアを楽しみたいという気持ちもありました。

今日は転勤族が家を購入して感じたデメリット、そして定住したからこそ感じた転勤族生活の良さについて書いてみます。

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家を購入してから実感したこと

近所の方たちと上手につきあっていかなければならない

持ち家反対論者のなかには「家の購入は一種のギャンブルだ」と言う方もいます。その理由として、近隣にどのような方が住んでいるか、住んでみないとわからないことがあげられます。

我が家もこの家を購入する際に、「ご近所さん」がどのような人かとても気になっていました。家の内見に来た際に、元のオーナーさんに尋ねたところ「私自身はあまり近所付き合いがなかったので」という返答。とりたてて近隣トラブルはなさそうだと思い購入に踏み切りました。

引っ越しの時には近隣のかたと仲良くなりたいという気持ちもあり、昔から言う「表三軒両隣」という言葉とおり、お向かいの3軒と、両隣の計5軒のお宅にお菓子をもって挨拶にいきました。幸運なことにお隣さんは子育て世帯ということもあり、親切に子どもの学校のことなどを教えてくださる方。お向かいさんも優しく親切なご夫婦です。「これは当たりだ!」と思いましたね。

ですが、「表三軒両隣」だけに気を遣えば良かったわけではなかったことをそれから4年の後に知りました。この住宅地には自治会があり、いくつかの「班」で形成されています。我が家はその「班」のルールを知らなかったことが原因で、近隣の方と心理的な衝突がありました。

「人間のトラブルの多くは、『コミュニケーション不足』が原因」と言われています。もし、引っ越してきた当時に、「表三軒両隣」だけでなく、同じ班のすべてのお宅に挨拶に伺っていれば、我が家に対しての心象も違っていたのではないかなと感じました。

衝突があった当事者のかたとは、後に話し合いをして今は挨拶を交わす仲になりました。ですが、同じ班の方の中にはその出来事から、我が家に対して良い印象をもたれていないかたもいるかもしれません。

コロナ禍ということもあり、自治会の行事も少なく近隣の方と顔を合わせる機会が少ないことは『コミュニケーション不足』からの誤解や思い込みでのトラブルも招きやすいように感じます。

私自身がこのような出来事をひとつの成長の機会として受け止めるしかないのかなと思っていますが、何となく家からでるのが怖い気持ちになったり、近所の方の目が気になったり・・・しばらく気持ちが塞いでしまいました。 

そして、こうしたことがあると「その地域にしばられない転勤族は気楽だったなぁ・・・」と思ってしまうのです。

家族のライフスタイルに変化があっても簡単には引っ越せない

私の勤めていた会社が突然の業務閉鎖になったことを以前、このブログにも書きました。その後、別の仕事を探している中で「自分の住まいからの通勤距離」というのが、仕事探しのネックになりました。

賃貸なら、会社に近いところに転居するということもできますが、購入した場合はそう簡単にもいきません。

また、我が家の二人の子どもの通学の問題。上の子は我が家から通いやすい場所にある中高一貫校に通学しています。でも、下の子は地元の中学校に通うことになったため、高校受験をしないといけません。高校が通いやすいところにあればいいですが、そうでない場合「通いやすい学校」から決めないといけません。

夫の通勤の問題もそうです。現在は単身赴任のため、駅からより近いところのほうが帰省の際には楽です。

「賃貸」の良さは家族のライフスタイルにあわせて、より利便性のいいところに住み替えができることかと思います。「家」があると、「学校」や「仕事」もその範囲のなかで選択せざるを得ないのが現状です。

地域の独自ルールや雰囲気は住んでみないとわからない

転勤の都合で子供は転校を経験しています。現在、定住している地域は私なりにリサーチをして購入しました。教育環境、生活環境が良いと評判の地域です。ですが、実際には住んでみないとわからない地域ルールがあります。

驚いたのは小学校のPTA役員候補として「転入生の親」に優先的に声をかけるという慣習。更に、自治会の当番も、「新たに転居してきた人がすぐにやらなければいけない」というルール。

これまでの居住地では、引っ越してきた人に「はい、越してきた人がすぐにやるルールだから」というルールはありませんでした。

以前からその土地に住んでいた方からすると、「自分たちもそのようにしてきたから。新しく来た人がやらないのは不公平」「新しく来た人も、いろんな人を知るきっかけになるのでよいこと」「以前から住んでいる人も、新しく来た人の顔がわかり安心」といったことがあるようです。

引っ越してきてまだ生活も落ち着かない、土地のこともよくわからず慣れるまで時間がかるという方もいるのではないかと思います。その地域になじめるかどうかなど転居者は少なからず「不安」も抱えています。

私はそんな転居者の気持ちを考えると、新しく来た人にそのように声をかけるのははばかれてしまいます。「郷に入っては郷に従え」ということわざもありますので、仕方ないことかもしれませんが、ちょっとしたカルチャーショックを感じました。

5年も経過すると新しい土地に住んでみたくなる

夫の単身赴任が決まり、忙しい夫に代わり赴任地で住む賃貸アパートを探したり、必要な物をそろえたりという作業をしました。旅行前のワクワク感のような感覚が芽生えます。新しい土地での生活の期待感。

そうか、これが転勤族の醍醐味だったのかも。と思ったりします。新しい土地で散策をして、色々な発見をすることはまさに「旅行気分」だったのです。

今住んでいる地域もとてもいい地域です。でも、人生の限られた時間、あちこちの土地で生活できるという機会を与えられた転勤族の生活も素敵だったなぁと今だからこそ思います。

今の家は気にっていますが、4年も経過するとそろそろ別の土地でまた暮らしてみたいという気持ちがでてきました。コロナ禍で旅行など自由に動けなかったことや、子どもの部活動など子ども中心の生活になり、私自身が身軽に動けないことも背景にあるかもしれません。

結局、転勤族は家の購入はやめておいたほうがいいのか

まずは賃貸でお試しをしてから購入を考える

家の購入に対してネガティブな内容になってしまいましたが、家を購入して良かったなと思うこともたくさんあります。今、住んでいる家は庭付きの一戸建て。大好きな犬も飼い、インテリアを楽しみ家族で広々と過ごし、隣や下の階に気を使うことなくのびのびと生活しています。

「家の購入はギャンブル」というのはほんとうだと思います。ですので、可能であれば住んでみたいと思う地域で家をすぐに購入するのではなく、まずは「賃貸」」で住んでみるのがおすすめです。地域ルールや、近隣の方の情報など実際に住むことで知ることができます。そこで、数年住んでずっとこの地域で生活していきたいと思えたら購入に踏み切るのがいいかと。

中古住宅という選択もリスクヘッジ

我が家はその地域に住んでみたこともないのに、いきなり購入をするという賭けにでました。

でも、それができたのは「中古住宅」だったからです。日本でも少しずつ「中古住宅」の価値が認められきましたが、それでも20年以上経過した家にはほとんど価値がないと考える人が多いのが現状。そのため、我が家はまだまだ住める注文住宅でしたが、ほぼ土地のみの代金で土地付き一戸建てを購入できました。

もし、住んでみて売却したいと考えた場合、新築で購入した家よりも損失がすくないと考えています。家は劣化しても、人気の土地だからその価格は保証されると見込んでいます。

今は子どもの転校を避けるため定住していますが、もしかして将来的にはより良い住まいを求めて住み替えをするかもしれません。 新築の注文住宅を購入していたら、ローンも多額でそのような考えをもつのは難しいと思います。

以上、私の経験談です。家の購入というのは人生の中でも特に大きな買い物ですので、難しいですよね。読んでくださった方の何かしら参考になればうれしいです。