転勤族の夫と結婚して19年がたちました。振り返れば楽しかったこと、辛かったこといろいろあります。最初に辛かったのは、夫の転勤で新しい土地で生活が始まってからの孤独の日々でした。 ライフステージ毎に私の体験談を記事にまとめてみたいと思います。今回は新婚時代についてです。
子どもがいない転勤族の妻のおかれた状況
「子どもがいない転勤族の妻」と一言でいっても、いくつかのパターンがあります。
一つ目は結婚してまだ2~3年の新婚で子どもが生まれていないケース。
二つ目は結婚して3年以上経過し、子どもが欲しいと思っていても恵まれていないケース。
三つ目は妻が妊娠可能な年齢を過ぎ、夫婦二人での生活を送っているケース。
この中で、私が経験したのは一つ目と二つ目のケースです。三つ目のケースについては私自身は経験していませんが、私自身の職場で出逢った同僚の方や、夫と同じ職場の同僚の奥様のお話を別記事でご紹介したいと思います。
新婚でまだ子どもが生まれていない転勤族の妻
新婚の時期は夫婦二人での新しい生活を少しずつ構築していく時期です。
夫の転勤に伴い、妻はそれまで働いていた仕事を辞め専業主婦の生活が始まったりもします。専業主婦というと楽なイメージがありますが、専業主婦だからこそ夫のためにちゃんとしたご飯をつくらないと!と気合もはいり慣れない家事にバタバタしてあまり孤独を感じずにすむこともあります。
また、新しい土地での生活も観光気分で、週末に夫と二人でどこに出かけようかと楽しい想い出を作ることができる時期でもあります。
夫婦の仲が良ければ、この時期は転勤生活を思いっきり楽しめる時期といえるかもしれません。私は夫と温泉に行ったり、観光したり楽しい想い出を沢山つくることができました。
…しかし、そんな生活も3ヶ月でしょうか。家事にも次第に慣れてくると、掃除に洗濯、ご飯つくり、夫の帰りを待つだけという生活がなんだかむなしく思えてきたのです。そして、自分には「夫」しか知っている人がこの土地にはいないという現実が、次第に「孤独感」に変わっていきました。
仕事始めて新しい土地での知り合いが増える
時間を持て余してきた私は、夫と結婚する前にしていた医療関係の職種で非常勤の職員を募集していることもあり、仕事を始めました。
仕事をすることで、新しい土地での知り合いが初めてできました。新しい職場はとても人間関係に恵まれており、その土地の方言や風習なども教えてもらったり、同じ年代の友人もできたりとても助けられました。
夫とは仲が良かったですが、やはり女同士だからこその会話があります。久々に女子同士の会話をして楽しいなぁ~と単純に思ったことを記憶してます。
新しい土地での仕事で、非常勤職員という立場の現実を知る
ただ、結婚をする前は正職員で少しずつ経験やキャリアを積み、後輩に指導をする立場にあったのですが、新しい職場では若い職員にその職場での仕事を教えてもらう「新人さん」の立場になります。
職場での待遇の違いなども感じるようになり、私は非常勤職員であることを意識するようになりました。仕事の内容も以前よりやりがいがあるとは言い難く、月給も半分以下でした。
職場側にたってみれば、私はまた転勤でいずれ職場を去るかもしれない前提で雇っているので仕方ないことです。正職員を辞めてまだ間もなかった私は、正職員と非常勤職員の違いを初めて身をもって経験しました。
また、職場はある程度、長い年月いることで職場の方たちから認められていくものなのだということも感じました。
新婚時代の転勤族の夫は・・・。
夫の立場にたってこの新婚時代を考えてみます。結婚前は転勤、転勤で職場と家の往復だけ、知っている人は職場の人だけという生活から、妻がいる新しい転勤生活のスタートです。
転勤族の男性は仕事もハードですから、帰ってきてから自分のご飯を準備するのは大変で出来合いの惣菜や外食ですませることがほとんどです。私が朝食や夕食を準備し、お弁当をもたせると「あ~、結婚っていいなぁ」と素直に感謝してくれてほんとうにうれしかったです。
新婚時代の過ごし方~孤独感から脱出するためには~
1、家事のスキルを身につける時期にする
今あらためて振り返ってみると、今後の長い結婚生活を考えると、この時期は夫婦の絆をしっかりつくるためにも、若い妻は夫婦の時間を大切にし家事のスキルをしっかりと身につけることを大切にするといいように思います。
私がその当時に、「家事をしっかりやろう!」と思わせてくれた本が「暮らし上手の家事ノート」という書籍です。 あたたかい家庭をつくること、丁寧に日々を送ることの大切さに気がつかされました。
また、こちらの本も1年をどのように過ごしていけばよいか指針となる本でおすすめです。
時間があり過ぎるとより孤独を感じてしまいがちです。この時期に、本気で家事のことをひとつひとつ学んでいくのもよいと思います。おうちの中がきれいだったり、ごはんが美味しいことは夫婦円満にも直結します。料理教室やお菓子教室に通うのもおすすめです。私も料理教室に通いました。「友人」といえるほどの深い関係にはならなかったものの、教室で知り合った方たちと、出来上がった料理をおしゃべりしながら食べる時間は楽しかったです。
自治体や公民館でやっている教室だと安く通えます。また、図書館にも沢山の掃除や洗濯、インテリアなど家事の本があります。片っ端から借りて読んでいた記憶があります。
2、仕事をする。あるいは趣味を深めたり、資格をとる時期にする
また、可能なら長い目をみすえて仕事もできるといいかもしれません。もし、将来仕事をしたくなったときに無職の時期が長くなると履歴書を見たときに、採用者は「この時期は何をしていたの?」と疑問に思うかたもいるようです。
私の場合、仕事に行くことでその土地で知人が増え、交流できたことから孤独感が減り、充実できたように思います。
正職員との違いを感じたりということはあったにしろ、働くことで将来の厚生年金の受給期間は増えますし、多少なりとも働くことで「夫に扶養されている」という状況ではなくなりますから、夫にも立場上、少し強くなります(笑)。
私は、結婚前の仕事と同じ内容の職場を選びました。しかし、この機に自分が転勤しながらも続けていきたい、あるいは続けていけそうな仕事はどんな仕事があるかとじっくりと考えて選ぶのも良いと思います。転勤族の妻の仕事についてはまた別記事にあげたいと思います。
経済的には余裕があるし、新しい土地で仕事探す体力や意欲はない!でも、お友だちが欲しいという方は、ハンドメイドの資格や、ネイル、エステなどの資格にチャレンジするのもよいかもしれません。
かくいう私はマッサージの資格をこの時期にとりました。
そういった教室で新たな出会いが生まれたりしますし、自分にスキルがあることは転勤先でも誰かに雇用されるのではなく、自分自身で収入を得ることにもつながります。今の時代、ネットでショップを開いたり、「ココナラ」などで、自分のスキルを収入に変えることもできる時代になりました。
新婚時代は将来をみすえて何でもチャレンジできる時期!
この新婚の時期に孤独感を抱えていたとしたら、家でじっとしているだけでは変わりません。
正直、友達つくりのためにスポーツクラブや習い事を始めたとしても、日中は20~30代の女性は少なく、60歳以降の方ばかりだったりします。
もし、スポーツクラブなどに通い始めるのなら体力つくりや、将来のスキルのために・・と割り切っておいたほうがいいと思います。もちろん、年齢関係なく、友人ができることもあります!ただ、「同年代の友人つくり」を目的にいくと期待はずれになるかもしれません。
私は、週末に活動できるスポーツ系のサークルに夫と入会しました。夫も一緒だったので入会しやすかったですし、あれから10年以上たつのに、いまだにそのサークルの方たちとは交流があります。趣味のサークルは仕事関係よりも気が合う友人がみつけやすいです。
転勤族の夫と結婚して、新しい土地で寂しくて実家に帰ってしまった、鬱になってしまった・・・。という話は時々ききます。若い今だからこそ、何でもできると前向きにいろいろチャレンジしてほしいです。
家事を完璧にこなそう!と気負う必要はないと思いますが、例えば洗濯ひとつでも、基本から学んでみようと思ってやってみると奥が深くて家事の面白さに気がついたりします。
そして、これは転勤族に限らずいえることですが、他の人とは比べないことですね。自分とおかれた状況が違う人たちと比べると気持ちが落ち込みます。
金魚や植物、ハムスターなどの小動物など、生き物や植物の世話をするのもおすすめですよ。知らない土地で疲弊した心をそっと癒してくれると思います。私は新婚時代「家庭菜園」にはまっていました。また、ゆらゆら水槽で動く金魚の姿をみると癒されていたなぁと思い出します。
家にひとりこもっていても何も変わりません。今の置かれた状況をぜひ、前向きにとらえて転勤生活を楽しんでほしいです。